_ [旅行]デンマークのレゴ、レゴランド、そして僕のおばあちゃん

日本でもとても有名なブロック玩具 LEGO（レゴ）はデンマークの製品だ。そして Billund（ビルン）という町にはレゴの本社があり、他にも工場などの関連施設がたくさんある。デンマーク人の知人は、Billund の人口の半分はレゴで働いているんじゃないか、と冗談めかして言っているほどだ。

そんな町 Billund には、LEGOLAND（レゴランド）というレゴのテーマパークがあり、世界中から観光客が集まってくる。今回のデンマーク旅行の中で僕が唯一訪れた観光地が、ここ、レゴランドだった。

園内はレゴで作られた人形や建造物でいっぱいだった。乗り物待ちの行列のそばにも、レゴで遊べるスペースが必ず用意されていて、子供たちは夢中になって遊んでいた。中には家族全員で黙々とレゴ作りに没頭している一家もいて、なんともほほえましかった。

そんな僕も幼い頃、祖母の家に行くと、そこに置いてあるたくさんのレゴで遊ぶのが常だった。僕は飛行機や船やロボットを好んで作った。動物や人を作るのはとても難しかった思い出がある。そして僕は夏休みが来るたびに、祖母にレゴブロックの追加をねだったものだ。祖母はしぶるそぶりをするのだが、最後にはいつも柏のそごうに連れて行ってくれて、そこでレゴを買ってくれた。とにかくレゴでは本当によく遊んだ。いま思い返しても、子供時代の僕にとって、レゴが最高のおもちゃだった。

今回レゴランドに行く道中で、レゴの生産工場のそばを通った。道路からはかなり離れたところにあったその大きな工場を見やったとき、ああ、この工場から僕が遊んだあのレゴが生まれたのだな、と思い、そして僕にレゴを与えてくれた優しい祖母のことを思い出して、僕は胸が熱くなった。

もしかしたら、いやたぶん、僕のおばあちゃんはレゴがデンマークのおもちゃだということを知らなかったかもしれない。それはともかく僕は、おばあちゃんと一緒にここに来て、この工場を見せてあげたかった。そして、幼い頃のお礼を伝えたかった。

祖母は20年前に亡くなってしまったので、残念ながらこの願いをかなえることはできない。でも僕の中でレゴと祖母は、絶対に切り離せない大切な思い出になっている。

おばあちゃん、僕にレゴを与えてくれて、優しくしてくれて、本当にありがとう。