2002 年ワールドカップの日本の緒戦の DVD を借りてきた。リアルタイムでもちろん見ていたが、いつか見直したいとずっと思っていたのだ。
この DVD はオープニング時の強制長々映像がなく、すぐにトップメニューが表示されて快適。そして音声も実況抜き(つまり歓声のみ)が選べてなお快適。テレビ朝日には即刻このスタイルを採用してもらいたい。
さてあの日、僕は東京国際フォーラム敷地内の nakata.net cafe の外でこの試合を見た。テレビの画面に、空がまだ白い埼玉スタジアムが映されただけで、ものすごく気持ちが高ぶったのを憶えている。そこに白地の明朝体で、日本のスタメンが映し出されていった。次々に現れる名前たちを見ながら、胸に静かな感動が押し寄せてきた。まさにこの緒戦のために 4 年という歳月をかけてこのメンバーが選び抜かれたのだ。僕は当事者でもなんでもないわけだが、それでもものすごく晴れがましく、厳粛な誇らしさのようなものを感じながら立っていた。
緊迫感ある探り合いで終わった前半。ジェットコースターのように試合が動いた後半。ベルギーの 1 点目に戦慄し、直後の隆行のゴールに絶叫し、稲本の豪快なゴールに驚き、宮本の登場時に「バットマン!」と言って周囲の受けをとり、ベルギーの 2 点目にああやっぱり甘くないと思い…。とまあ悦楽を得たわけだった。何かに夢中になるって快感だ。
試合後には、同じ場所で試合観戦していたメキシコ人のサポーターと日本人サポーターがユニフォーム交換をしていた。そこでメキシコ人サポーターが「メヒコ!メヒコ!ラ!ラ!ラ!」を 「ハポン!」 にしてやってくれた。我々ももちろん「メキシコ!(どんどんどん)」をお返しした。とてもいい光景だった。