2008年05月13日

[サッカー][日常]コッリーナ主審と犬の調教師に見たコミュニケーション技術の好例

Jリーグでは数年来、審判の問題ジャッジや選手とのトラブルが頻発しているが、改善の気配は未だ感じられない。それを契機に書かれたエントリをご紹介。筆者は実際に審判資格をお持ちの方らしい。

審判問題を考える~2級審判員の独り言~ (上)|Football Memorandum
http://www.plus-blog.sportsnavi.com/stanger/article/47

この中に書かれていたイタリアのコッリーナ主審のエピソードに驚嘆した。コッリーナ主審とは、簡単に言うと世界一の主審だった人、と言ってしまおう。すごく有名な方なので、サッカーファンでない方も写真を見たら「ああ!この人!」と思うかも。

コッリーナは自身の判断を採用することを決め、
ゴールした側のチームのキャプテンを呼び、
「変に思うかもしれないが、
 今のゴールはオフサイドなのでゴールは取り消しだ」
と説明したという。
同様に彼はベンチにも同じ説明をしている。
その際にこの元審判の
類まれ無いコミュニケーション能力が発揮されている。

チームのベンチがピッチよりも一段下がっていたために、
わざわざひざまづいて説明をしているのである。

ベンチのイライラがピッチに伝播することを慮ったばかりか、
その裁定を伝えるベンチに対しても、
同じ目線できっちりと話をするために、
膝を付き説明を行った。

本来であれば荒れるであろう試合も、
このコッリーナの選手を尊重した態度により、
何事もなかったように進んだという。

もう、素晴らしいの一言しか思いつかない。

これを読んで僕が思い出した話がある。それは、犬の調教師さんが、子どもたちにエサのやりかたを教えているときの、こんな場面だった。

ある子どもが犬にエサを与えるとき、エサを地面においた。犬はそれを食べた。と、ここで調教師さんが子どもに言った。

エサを地面に置くのではなく、
あなたの手の上に置いて、それを食べさせなさい。

調教師さんは続けて、食べ物を机の上に置く仕草をしながらこう話した。

あなたが食べ物をもらうとき、
こんな風に机の上に置かれて「それ食べて」と言われるのと、
手渡しで食べ物を受け取るのと、
どっちが嬉しいかな?

子どもは、「手渡しのほう」と答えた。調教師さんはうなづいて、最後にこう言った。

そうだよね。
犬も、人間と同じ気持ちなんだよ。

子どもは大切なことを教わったと思う。これは僕がとても好きな話。

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