Jリーグでは数年来、審判の問題ジャッジや選手とのトラブルが頻発しているが、改善の気配は未だ感じられない。それを契機に書かれたエントリをご紹介。筆者は実際に審判資格をお持ちの方らしい。
この中に書かれていたイタリアのコッリーナ主審のエピソードに驚嘆した。コッリーナ主審とは、簡単に言うと世界一の主審だった人、と言ってしまおう。すごく有名な方なので、サッカーファンでない方も写真を見たら「ああ!この人!」と思うかも。
コッリーナは自身の判断を採用することを決め、 ゴールした側のチームのキャプテンを呼び、 「変に思うかもしれないが、 今のゴールはオフサイドなのでゴールは取り消しだ」 と説明したという。 同様に彼はベンチにも同じ説明をしている。 その際にこの元審判の 類まれ無いコミュニケーション能力が発揮されている。 チームのベンチがピッチよりも一段下がっていたために、 わざわざひざまづいて説明をしているのである。 ベンチのイライラがピッチに伝播することを慮ったばかりか、 その裁定を伝えるベンチに対しても、 同じ目線できっちりと話をするために、 膝を付き説明を行った。 本来であれば荒れるであろう試合も、 このコッリーナの選手を尊重した態度により、 何事もなかったように進んだという。
もう、素晴らしいの一言しか思いつかない。
これを読んで僕が思い出した話がある。それは、犬の調教師さんが、子どもたちにエサのやりかたを教えているときの、こんな場面だった。
ある子どもが犬にエサを与えるとき、エサを地面においた。犬はそれを食べた。と、ここで調教師さんが子どもに言った。
エサを地面に置くのではなく、 あなたの手の上に置いて、それを食べさせなさい。
調教師さんは続けて、食べ物を机の上に置く仕草をしながらこう話した。
あなたが食べ物をもらうとき、 こんな風に机の上に置かれて「それ食べて」と言われるのと、 手渡しで食べ物を受け取るのと、 どっちが嬉しいかな?
子どもは、「手渡しのほう」と答えた。調教師さんはうなづいて、最後にこう言った。
そうだよね。 犬も、人間と同じ気持ちなんだよ。
子どもは大切なことを教わったと思う。これは僕がとても好きな話。