野茂の引退に寄せて小田嶋隆氏が書いたエントリより引用。
野茂の側には、 帰って来たいと思える理由はなかった。 たとえ何億積まれたのだとしても。 なぜなら 彼は、 石もて追われる形で日本球界を去った選手で、 その時のことを忘れているはずがないからだ。 恨んでいるとか、そういうことではない。 野茂はスジを通すタイプの人間だということだ。
野茂のパブリックイメージを的確に描写した文だと思う。
こんな野茂が僕は好きだ。前田日明を好きなのもこれとまったく同じ理由。
スジを通すオトコは、 自分を「裏切り者」と呼んだ人間のオファーにはこたえない。 また、信義を重んじる人間は、 結果次第で手のひらを返す組織の言葉を信用しない。 だから、野茂英雄は、 彼を飼い殺しにしようとして失敗したかつての飼い主と、 同じテーブルを囲むことはしなかった。 極めて当然の成り行きである。
この件については、野茂自身が、 著書(「僕のトルネード戦記」:集英社:1995年)の中で こう書いている。 (略) いや辛辣。 これ以上、私のような立場の者が 付け加えるべき言葉はひとつもない。