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僕が子どもの頃、僕の母はがん治療のため長く入院していた。だからよくお見舞いに行った。
いつだったか。たぶん僕が小学校1年生くらいのときか。僕は母を楽しませようと、自分で作った TV ヒーローロボのお面をつけたまま病室に入った。しばし機械音を発したあとで部屋を出て、お面を外し、また中に入って「あれ、いま、ロボ来てなかった？」とまじめに聞いた。母と、僕の付き添いで来ていた祖母が、なんともいえない感じでにこにこしていたのを憶えている。
そんなことを思い出すテレビCM がある。思い出すので僕はじーんときてしまうCM。
僕は知人が入院したら、何をおいてもお見舞いに行こうとしてしまう。高校生の頃から今に至るまでずっとそう。なんでかというと、あの母の笑顔が忘れられないからのような気がする。